簡単! 貸借対照表 バランスシートの見方(4) 総資産の増減

 前回は本来利益として計上するはずの資金をを別のところに移動してしまう場合があるということを書きましたが、書き忘れたところがあるので今回はその追記です。
                                              
2012年2011年2010年2009年2008年
自己資本30,00030,00030,00030,00030,000
うち当期利益00000
総資産80,00085,00090,00095,000100,000


(単位:千円)

 前回使った表ですが、総資産が毎年減ってますよね。この減少は何?というのが今回のお話です。

 これは結論から言うと借入金の返済分を想定して書いています。実際そんな感じの決算書が多いのでそのように書いてみただけですが、資金の流入がないなら借入 金の返済分は資産が減少するはずということです。

 簿記的な話ですが借入金の利息は損益計算書に計上されますが元金の部分は計上されません。元金の部分は貸借対照表で現金と借入金の項目が増減するだけなので総資産だけ増減することも普通にあり得るわけです。

 で、そのことについて触れた上で何が言いたいのかというと、資金の流入、流出の要因は損益計算書に計上されるものだけではないということです。だから前々回で書いたように自己資本と総資産を見ましょうという話になるんですが、この辺が解ってないと企業の資金繰りがどうなってるかもわかってないということだと思うのでぜひ覚えておいてください。

  更にもうひとつですが総資産は減少しにくいということも覚えておいたほうがいいかな。

 なぜかというと会社ってビジネスモデルをコロコロと変えることはめっ たにないですよね。ということは事業を継続する上で最低限必要な資金、資産も変わりにくいわけです。決算書上、事業規模を表している総資産は一定規 模を維持しやすいということです。実際の決算書を見てもどんな負け組み企業でも総資産は減少してもまた元に戻ってることが多いはずです。

 なので、上記の前 提で総資産が減り続ければ将来なにが起こるのかというと、たぶん借入金が発生することになると思います。ありそうなのは運転資金として銀行から借り入れ る、又は社長からの借入金として資金を入れるかな。

 今から勉強される方はこの二つぐらいは別に覚えておくと今後いいことがあるかもしれません(笑)






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