今回は比較貸借対照表について少しだけ書いてみようと思います。
比較貸借対照表というのはこんな感じの貸借対照表です。
簡単すぎな貸借で申し訳ありません(笑)
見てのとおり普通の貸借対照表の時系列データーに勘定科目ごとの金額の増減が載ってるだけです。たまに見ますよね。
では、これで何がわかるのかというと、まず時系列で見ることで各勘定科目ごとの傾向がわかります。以前の記事で書いたことは貸借対照表上、一番大事な勘定科目の傾向分析ということです。ということで実は半分最初にやってしまってます。
他のもうひとつが今回の話題ですが、金額の増減に着目する方法です。勘定科目ごと金額の増減を追いかけることによって企業の行動を把握しようというものです。
上の貸借対照表なら負債と固定資産がが5,000増えてますよね。なので2012年度は借入金で固定資産を買ったということがわかるということです。難しい ことではないのですが、1期分の貸借対照表を見ただけではこんな簡単なことですらわかりにくかったりします。なるべく時系列で決算書を見る癖をつけておく とよいです。
とはいえ、実際の貸借対照表は勘定科目がたくさん並んでいて複雑ですよね。見方のコツとしてはまず増減の大きいものを見つけて資金の 出所または出口を探していくようにするとわかりやすいです。または上の貸借のようにより大きな勘定科目の増減から追っていくのも有効だと思います。
この方法での資金の流れの追い方は期間中の資金の動きや細かい金額の動きまで完全に把握することはできませんが、その分大きな資金の流れの分析を間違えるという可能性は低いと思うのでおすすめです。
他には勘定科目や増減を~%と比率表示にして分析する方法もありますが金額で表示したほうが直接的で個人的にはわかりやすいかな。
株を買う時に参考にできるくらいまではと思って書いてますが、この辺までできるようになれば詳しい知識がなくてもそれなりに会社の状態をイメージできるようになると思います。
最後にですが、初心者にありがちな損益計算書だけで企業の状況を判断しようとしたらこういうことが起こります。
B社
2011年 | 2010年 | 2009年 | 2008年 | 2007年 | |
自己資本 | 11,247 | 15,567 | 10,348 | 23,283 | 21,429 |
うち当期利益 | 386 | 5,252 | △5,056 | 5,462 | 4,696 |
総資産 | 101,916 | 110,452 | 103,825 | 121,717 | 100,266 |
以前の記事で載せた実際の企業の時系列データですが2011年度を見て下さい。
利益は赤字でもないのに自己資本が前年度と比較して3割弱も減っています。100万 円運用したら1年間で元本が70万円程度まで減ってしまったということです。5年分の業績を見てみても赤字は1期だけでも5年間の自己資本の推移やPBR的な企業価値の判断で見てもほとんど最悪ですよね。
どこかのケーススタディとして出てきそうな企業ですが、言いたいことは利益もそれなりで順調だと思っていても実はまったく 違ったということが起こり得るということです。木を見て森を見ずにならないような分析を心がけましょう。
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